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[Econ-Topics] アメリカ人は給付金を消費に回すのか❓ 💲

2021/03/13

  今後、不定期ですが、面白いと思った経済ニュースを取り上げていきます♫ 

 

 

 アメリカン・レスキュープランはアメリカ経済を救う!?

 

 新型コロナウイルスの世界規模でのパンデミックの発生から1年が経過しようとしています。各国でその対応策が違いますが、今週、特に話題になったのがアメリカのバイデン大統領が署名した、1兆9000億ドル(約206兆円)規模の追加経済対策法 [the American Rescue Plan act of 2021]です。この法律を通じて、連邦政府から個人・企業・州政府への資金援助が可能となります。特に目を見張るのが、年収820万円以下のアメリカ国民1人1人への給付金です。昨年12月に前政権が決定した給付金(6万円)を合わせると、総額21万円を年収820万円以下の国民1人1人に給付することになります。例えば、年収820万円以下の5人家族(夫婦・子供3人)ですと、総額100万円以上の給付金が今回は各家庭に入る計算になります。

 

 アメリカ・イギリスの経済紙で特に議論になっているのが、「この給付金が消費に回るのか?」という点です。

 

 イギリスの新聞 the Economistの3月13日付の記事、”The word’s consumers are sitting on piles of cash. Will they spend it?“によると、新型コロナウイルスのパンデミックが無ければ、先進国上位21ヵ国において、2020年の最初の9ヵ月で3兆ドルが家庭の貯蓄に回っていた、と推測されています。しかし実際は、その倍の6兆ドルだったのです。つまり、差額の3兆ドルの貯蓄超過(これらの21ヵ国の年間個人消費の10%に相当)が、新型コロナウィルスの世界的大流行によって発生したことになります。特に、アメリカではこの貯蓄超過の規模が他国を凌駕しており、まもなく、その超過額がアメリカのGDP(22兆ドル)の10%を超えると予測されています。もちろん、このアメリカの貯蓄”超”超過は、冒頭のバイデン大統領の追加経済対策法に依るところも大きいです。

 

 アメリカ人は、バイデン政権の肝いり政策として実現した高額の給付金を消費に回すでしょうか?それとも貯蓄に回すでしょうか?もしアメリカ人がこの貯蓄超過分を全て消費行動に移すと仮定すると、アメリカの2021年のGDP成長率が10%を超えることになり、アメリカ経済は、第2次世界大戦後の経済復興さえも霞むほどの記録的な高成長を経験することになります。また一方で、一般市民は経験から、政府の大盤振る舞いの後は、必ず増税があるとも認識しています。パンデミック収束後の増税に備えて、アメリカ国民の多くが貯蓄超過分をそのままの状態で寝かせて、貯蓄し続ける可能性もあります

 

 実際の現実は、この2つの例の中間ぐらいになるのではないか、と大手投資銀行は分析しています。JPモルガン・チェースの分析によると、多くの先進国では、消費がパンデミック以前の状態まで急改善し、力強いグローバル経済が復活すると推測されています。また、ゴールドマン・サックスは、パンデミックが完全に終結した年の翌年には、貯蓄超過分が消費に回ることで、アメリカのGDP成長率が2%後押しされると見ています。

 

 JPモルガン・チェースによると、昨年からの給付金により、アメリカの最貧困層の銀行口座残高は前年比で40%増加したとのことです。富裕層の残高の増加が約25%だったのと比較すると驚異的です。昨年1年間で最貧困層の下位半分の流動資産が11%増加しました。これは最富裕層の上位1%の流動資産増加額の約2倍に匹敵します。経済活動が再開すると、アメリカの場合、低・中所得者層はこの貯蓄を消費に回し、景気回復を加速させる可能性が高いです。

 

 第2次世界大戦後の経済復興のペースは、アメリカ以上にヨーロッパの方が早かったのですが、今回は逆になると推測されます。トランプ・バイデンの両政権の政策により、世界で最も経済刺激策を享受し、尚且つ伝統的に最も消費行動が盛んなアメリカが、ポストコロナの世界経済を牽引することになるでしょう。

 

 これだけの財政出動を行うと、インフレが加速するのではないか?、という別の問題も発生します(現にアメリカではインフレ恐怖論も出始めています)。今回は割愛します。

 

 今回のバイデン大統領の追加経済対策法は、正にミドルクラスに寄り添う民主党の王道的な政策を史上空前の規模で展開したものになりました。現代では中国が経済大国として台頭してはいますが、依然として世界の消費の中心地であるアメリカ経済の復活を期待します。アメリカでの消費行動が再活性化すれば、日本経済へも波及し、良い景気循環がもたらされると思われます。

 

 

 

[参考資料]

 

https://www.economist.com/finance-and-economics/2021/03/09/the-worlds-consumers-are-sitting-on-piles-of-cash-will-they-spend-it

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/37de1dde0dc0e26ac9a5688c0386c42e4d6b451f

 

https://www.asahi.com/articles/ASP3B742FP3BUHBI01G.html